みみ・はなの症状

声のかすれ

声のかすれ
のどには、喉頭(こうとう)という部分があり、声帯が喉頭には左右にあります。「声のかすれ(声枯れ)」という状態が起きている際には、この声帯に異常が起きています。声のかすれは、通常の声より弱々しい声になっていたり、しわがれ声、がらがら声と言われる状態のことを指します。
声がかすれる原因としては、風邪などをひいたことで声帯が炎症を起こしたこと、声を頻繁に使う、または大きな声量で使う職業(歌手、保母、教師、インストラクターなど)はよく声枯れを起こされています。
声のかすれ(声枯れ)が起きていることで考えられる原因は、急性咽喉頭炎などの症状に起きる声帯の炎症だけでなく、声帯結節や声帯ポリープ、副鼻腔炎(ちくのう症)による後鼻漏、喉頭ガン、甲状腺癌による神経麻痺、年齢の変化が原因の声帯萎縮などが挙げられます。

■声のかすれの治療方法
声のかすれ(声枯れ)の原因となるのは、声帯の炎症だけでなく様々な病気が原因である可能性もあるので、その原因が何かを特定するために、耳鼻咽喉科では、電子ファイバースコープ(喉頭内視鏡)を使用して声帯の状況を確認し、発声してもらい、診察・検査を行い、原因を判断します。

治療方法としては、診察・検査で判断した原因に応じて以下の治療を組み合わせて行っていきます。
➢ ネブライザー治療(薬を水蒸気にし、吸入していただきます)
➢ 投薬による保存的治療
➢ 声のリハビリテーション(腹式呼吸法、声の出し方を指導します)
➢ 手術等(声帯ポリープなどが原因の場合)
➢ 生活習慣の改善指導(禁煙などの生活指導)

■声のかすれの予防方法
風邪をひき、それに伴って声がかれてきた際に、ご注意いただきたいことがあります。
➢ 仕事などで長い時間声を出し続ける(例えば、長時間の電話、講演など)
➢ 喫煙者であればタバコを通常と同じ本数を吸う
➢ アルコールを飲み過ぎる
という行為は、声帯に負担をかけ、慢性的な炎症の原因となります。

声帯に負担をかけ続けないことがポイントですから、
日常生活では、
➢ アルコールを飲んで大声でカラオケを何曲も歌い続けるなどのどを酷使しない
➢ 無理な声の出し方をしない、できればあまり声を出さない
➢ 乾燥を予防し、水などを飲み、のどをこまめに潤しておく

声をよく使う職業の方は、
➢ できるだけのどを休める時間を持つこと
➢ のどを乾燥させないように気をつけること
➢ 正しい発声法を学んでおくこと

という点に普段から注意が必要です。

■ご注意いただきたいこと
声のかすれ(声枯れ)が2週間以上続く時には、重大な病気(ガンなど)の可能性を取り除くためにも一度のどの病気の専門医である耳鼻咽喉科を受診することをお勧めいたします。

2017/05/23