みみ・はなの症状

アデノイド増殖症

2021/10/20

アデノイド増殖症とは鼻の奥にある扁桃腺(医学的には扁桃腺とは言わず扁桃といいます)の一つである咽頭扁桃(アデノイド)が病的に肥大した状態です。肥大したアデノイドの影響で耳、鼻の症状を呈する事があります。

アデノイドはもともと小さい年齢から鼻の奥にある扁桃腺で5〜6歳ごろに大きさがピークとなり徐々に小さくなり大人になるとほとんど無くなってしまう組織です。

耳鼻科では鼻のファイバースコピー(内視鏡)やレントゲンを撮って診断します。

鼻の奥には耳に通じる耳管という管が通っておりアデノイドが大きい状態が続くと耳管の働きが悪くなり滲出性中耳炎という鼓膜の奥に水が溜まってしまう中耳炎を呈してしまうこともあります。

アデノイドが肥大すると鼻の奥がつまった状態が続き鼻づまり(鼻閉)の原因になることもあります。

また、アデノイドが大きい場合、口の奥にある扁桃腺(口蓋扁桃)も同じ様な組織のため大きい事が多く、アデノイド、口蓋扁桃の肥大でいびきや睡眠時無呼吸の原因になることもあります。小さなお子さんの睡眠中の無呼吸の原因の多くが口蓋扁桃の肥大とアデノイドの肥大が関与しています。

滲出性中耳炎がなかなか治らずアデノイドの肥大が大きく関与している場合や、お子さんの睡眠中の無呼吸症状が強い場合アデノイドを全身麻酔での手術で切除することもあります。成長とともにアデノイドは小さくなるので切除せず待つケースもあります。

つくば市の耳鼻科クリニック 研究学園いいむら耳鼻咽喉科

 

スギ花粉症

2021/10/19

アレルギー性鼻炎、結膜炎、皮膚炎などでスギ花粉(杉花粉)に起因するアレルギーをスギ花粉症といいます。スギ花粉は関東地方では2月中旬から4月下旬に飛散します。

鼻水、鼻づまり(鼻閉)、くしゃみ、目のかゆみ、喉のかゆみ、皮膚のかゆみや荒れなど症状は多彩です。就学時以降から発症する事が多いですが、最近では低年齢化の傾向もあります。

検査は鼻鏡検査といって鼻の中を見て鼻粘膜の状態を確認します。また採血検査で特異的Ig E抗体という特定の抗原に対する抗体を調べる方法もあります。他には鼻汁好酸球検査、皮膚テストなどがあります。すべての検査が必須ではなく問診での症状などを踏まえて診断することもあります。

治療はまず抗原(スギ花粉)からの回避(吸い込まない:マスクなど、家に入れない:洗濯物の部屋干しなど)ですが限界もあります。

抗アレルギー剤などの内服治療、点鼻薬、点眼薬などの外用薬の使用があります。抗アレルギー剤には抗ヒスタミン剤、抗ロイコトリエン剤、ケミカルメディエーター遊離抑制剤、TH2サイトカイン阻害剤、TX A2受容体拮抗薬、などありメインで使われるのが抗ヒスタミン剤になります。眠気の少ない薬もあり症状の強い方は薬を組み合わせて服用することもあります。耳鼻咽喉科では鼻の粘膜の状態や症状によって薬を選択することも多く、その点が耳鼻咽喉科医の強みでもあると思います。

他にはアレルゲン免疫療法の一つである舌下免疫療法という治療もあります。アレルギーの原因物質であるアレルゲンを少量ずつ服用しアレルギー症状を起こしにくくする治療です。長期間継続して治療が必要なことと花粉が飛散する前からの治療が必要にな知ます。当耳鼻科でも舌下免疫療法は導入しております。

鼻づまりが強いタイプの鼻炎では鼻粘膜をレーザーで焼灼するレーザー治療もあります。(花粉症の症状が出ている期間にはかえって症状が強くなるのでできません)

つくば市の耳鼻科 研究学園いいむら耳鼻咽喉科

 

鼻内異物

2020/06/24

鼻の鼻腔内に異物が入った状態です。
お子様が自分で入れてしまうケースが多く、BB弾、ビーズのようなおもちゃ類、お菓子などが多いです。
(周囲のものに興味を持ち出す小さなお子さんに多い印象です。保護者の方は十分に注意してください。)
専用の器具を用い摘出します。
つくば市 研究学園いいむら耳鼻咽喉科

薬剤性鼻炎

2020/06/20

薬剤性鼻炎(rhinitis medicomentosa)は血管収縮剤という成分を含む点鼻薬を長期間、多用することにより慢性的な鼻づまりの症状が続いてしまう疾患です。
血管収縮剤とはトラマゾリン、ナファゾリン・テトラヒドロゾリン・オキシメタゾリンなどの成分で、鼻の粘膜の血管に作用し急速に鼻粘膜を収縮して腫れを急速に改善させる効果があります。しかし、使用を繰り返すうちに効果が出にくくなりかえって鼻づまりが出やすくなってしまいます。そのため、使用回数が増えてしまい更に悪化するという悪循環になってしまいます。
治療としては、血管収縮剤の点鼻薬の使用をやめることです。そして内服薬、違う成分の点鼻薬を代用し治療を行います。改善が乏しい場合はレーザーによる鼻粘膜焼灼術を行うこともあります。

肥厚性鼻炎

2020/06/16

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鼻腔内には甲介という粘膜がいくつかあります。大きな体積を占めるのが下鼻甲介という粘膜で、アレルギーなどで慢性的にこの粘膜が腫れて鼻づまりをきたすことがあり肥厚性鼻炎と言います。
原因としてはアレルギーや寒暖差によるもの、血管収縮剤という成分の入った点鼻薬の汎用によっても生じることがあります。
治療はアレルギーによるものはアレルギーを抑える薬、血管収縮剤の使い過ぎによるものは使用の中止、減量する必要があります。薬剤で改善がしにくい場合は耳鼻科でレーザーによる手術や粘膜を部分的に切り取る手術などがあります。

つくば市耳鼻科 研究学園いいむら耳鼻咽喉科

鼻中隔弯曲症

2020/06/16

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左右の鼻腔を隔てている壁を鼻中隔と言います。ほとんどの方が鼻中隔は多少は曲がっており鼻づまりの原因にならなければ病的な意義はありません。しかし、慢性の鼻炎などがあり鼻中隔の曲がり具合が強く鼻づまりがひどくなる場合は鼻中隔弯曲症という病気として扱うことがあります。
鼻の中を覗く鼻鏡検査、CT検査などで診断がつきます。
治療は鼻炎などを伴う場合は鼻炎を抑える治療を行い、弯曲が強く他の治療でも改善が難しい場合は弯曲を矯正する手術があります。鼻中隔の壁の中の曲がった軟骨、骨を取り除いたりする手術になります。手術は一般的には全身麻酔の手術になりますので総合病院などをご紹介します。

鼻前庭炎

2020/06/15

鼻孔から入ってすぐの皮膚、粘膜が荒れて炎症を起こすことを鼻前庭炎と言います。
原因はアレルギー性鼻炎などで鼻に痒みなどが生じ鼻の内部を触りすぎると炎症を起こしてしまいます。場合によっては鼻出血の原因になったり、感染がひどくなるととびひ(伝染性膿痂疹)などを起こしてしまうこともあります。
ステロイドや抗生剤の軟膏を使用し治療を行います。感染がひどい場合は内服の抗生剤を使うこともあります。
鼻を触らないよう注意が必要です。
つくば市 耳鼻科 研究学園いいむら耳鼻咽喉科

アレルギー性鼻炎

2020/06/02

アレルギーを引き起こしてしまう物質(抗原)が鼻内に入り鼻腔の粘膜の中でアレルギー反応を起こし鼻炎症状を引き起こしてしまう疾患です
症状
三大主徴としては鼻汁、鼻閉(鼻詰まり)、くしゃみ、などの症状があります。他に鼻の痒みなどがあります。眼の痒み、充血などを起こすアレルギー性結膜炎や、皮膚の痒みなどが生じるアレルギー性皮膚炎を併発することもあります。
症状の出ている期間によって通年性と季節性に分類されます。通年性は主にダニ、ハウスダストが代表的で、季節性では花粉によるアレルギーが挙げられます。花粉はスギ、ヒノキ、カモガヤ、ハルガヤ、イネ、ブタクサ、ヨモギなど季節によって様々です。
診断・検査
問診、鼻鏡検査(鼻の視診)、採血検査、鼻汁好酸球検査など
治療
まずは抗原の除去、回避を行うことが重要です。こまめな清掃、室内での空気清浄機などの使用、花粉によるアレルギーでは飛散季節はなるべく部屋干しにする、マスクの使用などがあります。
症状が強い場合は内服治療、点鼻薬などの外用薬などの治療、鼻づまりが強い場合は耳鼻科でのレーザー治療、ダニ・ハウスダストアレルギー、スギ花粉症では舌下免疫治療などもあります。
つくば市 耳鼻科 研究学園いいむら耳鼻咽喉科

鼻出血

2017/05/23

鼻出血(鼻血)
(1)鼻出血(鼻血)の原因
鼻出血というと馴染みがない言葉かもしれませんが、「鼻血」と言われる症状のことです。鼻出血(鼻血)は、一般的には数分経てば止まります。鼻出血(鼻血)は、鼻の中の血管が何らかの原因で鼻の粘膜が傷つくことで起こります。

出血する部位としては様々ありますが、鼻の入り口から入って1センチ程の部分でキーゼルバッハ部と言われる粘膜が傷による出血するケースが最も多いです。

特にお子様の場合、鼻を触ったり、鼻に何か(指や細いものなど)を入れることで傷つけ出血することが多いパターンです。鼻かぜ、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などで粘膜が弱っている少しの刺激で傷がつき、鼻出血も起こりやすくなるので注意が必要です。

成人の場合であれば、一般的に頻度は低いですが、鼻の癌や白血病など血液の病気がある場合は鼻出血(鼻血)を起こすことはあります。高血圧や肝臓病が原因で出血しやすくなることもあります。

(2)鼻出血(鼻血)の対処法
ご自宅や外出先で鼻出血を起こした時、鼻血を止める方法としては、
➢ 親指と人差し指で小鼻(鼻の外側の膨らんでいる部分)を強くつまみ圧迫する
⇒つまんで圧迫する箇所に注意しましょう。硬い骨の部分をつまむことで効果はありません。
➢ 小鼻をつまみながら椅子などに座り、頭を軽く下げ(斜め下を向く)、安静にする
⇒上を向くと血が喉に流れてくることがあります。
➢ 5~10分程度、上記の状態で安静にし、様子を見る
➢ もし止まらない場合はティッシュや綿を鼻に詰め、再度小鼻をつまみ圧迫する。頭を軽く下げ、安静にして5~10分程様子を見る

このようにすれば、数分で止まります。
ご注意いただきたい点として、対処法を実施の際に、横になって寝たり(寝かせたり)、首筋を叩くという行動はよくありません。

上記の対処法を実施しても鼻血が止まらない場合や鼻血を繰り返す場合は、耳鼻咽喉科を受診してください。

慢性副鼻腔炎

2016/03/07