みみ・はなの症状

外耳炎

2017/05/22

外耳炎(外耳道炎)
(1)外耳炎(外耳道炎)の原因と症状外耳炎(外耳道炎)とは、耳の穴(耳の入口)から鼓膜までの間の道(外耳道)に炎症が起こっている状態です。外耳炎(外耳道炎)の原因は主に耳掃除によるもので、耳掃除の際、耳かきや綿棒、または耳がかゆいという時に爪などで強くかきすぎることによって外耳道に傷がつき、細菌などに感染し炎症が起こります。また、耳にお風呂やプールなどカビや細菌が含まれる水が入ることによって感染の可能性があり、炎症を引き起こすことがあります。

(2)外耳炎(外耳道炎)の症状
外耳炎(外耳道炎)の症状としては、
■痛み
■かゆみ
■耳だれ
■灼熱感(しゃくねつかん)
■耳閉感
■耳鳴り
■難聴
などが挙げられます。
ほとんどの場合、炎症が治まれば症状は消えていきます。

(3)外耳炎(外耳道炎)の治療
耳鼻咽喉科での外耳炎(外耳道炎)の治療は、外耳道を清潔に保ち、炎症を抑える治療を行っていきます。一般的には、耳垢や傷ついた外耳道にできるかさぶたをきれいに除去し、消毒をするとともに炎症を抑えるために軟膏を塗ったり、抗菌剤などの薬を服用していただきます。耳垢が硬くなっている場合もありますので、その際は耳垢をやわらくして取り除きやすくしてから除去します。また、ご自宅でも点耳薬や軟膏を塗って治療を行っていただきます。外耳炎(外耳道炎)がひどい場合や耳の痛みが強い場合、かゆみがある場合など症状によって処方する薬や治療法が違いますので、症状をしっかりと医師にお伝えください。

(4)外耳炎(外耳道炎)にならないために大切なこと
外耳炎(外耳道炎)にならない(予防する)ために大切なことは、「耳を傷つけないこと」です。耳かきや綿棒による耳掃除はこまめにされる大人の方が多くいらっしゃいますが、耳掃除をしすぎると外耳道が傷つきやすくなります。たまに爪楊枝などで耳をかいていらっしゃる方がいますが、外耳道を傷つける可能性が高くなりますので、注意してください。傷がつくと傷口から細菌などが入り、炎症を起こすリスクが高くなります。特に大人に比べ子どもの外耳道の皮膚は薄く傷がつきやすいので、耳垢が気になるのであれば耳鼻咽喉科を受診し、耳掃除をしてもらうのも良いでしょう。

急性中耳炎

2017/05/20

急性中耳炎
(1)急性中耳の原因
急性中耳炎の原因は、風邪(かぜ)や副鼻腔炎などの感染症の症状として出る鼻水によるものが多く、3歳以下の子供の80%がかかると言われています。菌やウイルスが鼻水をすすることにより、耳管を通り中耳という鼓膜の奥までいき、菌やウイルスによって炎症を引き起こして中耳炎が発症します。
3歳以下の子供に急性中耳炎になりやすい理由は、子供と大人の耳の構造の違いよるものがあります。鼻と耳をつなぐ耳管という部位が子供は大人に比べて太く、短く、水平に近いため鼻水に含まれる菌やウイルスが侵入しやすいからです。
ここでご注意いただきたいのは、上記のような内容を見ると大人は中耳炎にならないのかと勘違いされる方が時々いらっしゃいますが、大人の方でも急性中耳炎になることがあります。子供のほうが急性中耳炎になりやすいというだけです。

(2)急性中耳の症状
急性中耳炎の症状としては、
➢耳の痛み
➢発熱
➢耳だれ(耳漏)
➢耳が詰まった感じ(耳閉感)
➢難聴
などといった症状になります。原因となる菌やウイルスなどが消える、例えば、風邪(かぜ)などの感染症が治ると、急性中耳炎も一緒に治っていきます。

乳幼児は、「耳の痛みを訴えられない(訴えにくい)」ため、耳の痛みが強くない場合には、そのまま炎症が進行して、耳漏が出てきてから異常に気づくというケースもあります。
耳漏は、炎症が進行したことで鼓膜が破れ、鼓膜の奥に溜まっていた膿が出てきた状態です。膿が溜まること、鼓膜が破れることで難聴が起こります。乳幼児が繰り返し耳を触るような動作をする、気にしている様子がある時にはできるだけ早めに耳鼻咽喉科を受診することをお勧めいたします。

(2)急性中耳炎の治療
急性中耳炎の場合、鼓膜が赤くなっていたり、腫れていたり、膿が溜まっていたり、穿孔(せんこう)(穴)があったり、拍動(はくどう)性の耳だれが出ていたりするので鼓膜の状態を診れば診断は容易につきます。

菌やウイルスを含んだ鼻水が出る、鼻水がつまっていて乳幼児は、上手く鼻水をかむことができないため、耳鼻咽喉科で鼻の通りを良くする治療から始めます。
通常、急性中耳炎は、通院治療とお薬を飲んでいただく必要があります。(お子さんは冬であれば治療期間が長引くこともあります。)
耳の痛みがなくなったとしても、中耳炎は多くの場合完治していないことがあります。症状がなくなったからといって、途中で治療を止めてしまうと鼓膜の内側に膿(うみ)が残って滲出性中耳炎や慢性中耳炎になることがあるので注意が必要です。医師が治療終了と判断するまで治療をご自身の判断で中断することのないようにしましょう。

耳垢 耳あか

2016/07/30

耳垢
【図解】耳垢がたまる
耳垢(みみあか)には大きく分けて2つのタイプがあり乾燥したタイプの耳垢と湿性の軟らかいタイプの耳垢があります。日本人は比較的乾燥したタイプの方が多いとされています。
一般的には耳の中の外耳道(耳の穴)には耳垢を排出する働きがあります。しかしながら小さなお子さんや体質的に溜まりやすい方やご高齢の方などでは耳垢が溜まりやすい方もいらっしゃいます。そのような場合は耳垢の除去が医療行為として認められていますので当院では保険診療の範囲で耳垢の除去を行なっております。「耳垢だけで受診してもいいですか?」と心配される方もいますが当院耳鼻科では遠慮なくご相談ください。

つくば市TX研究学園駅前の耳鼻科 研究学園いいむら耳鼻咽喉科

難聴

2016/03/07

難聴
難聴と聞くと、多くの方は「高齢者の病気」というイメージがあるようですが、若い人にも起こりうる病気です。難聴は放っておくと聴力が戻らなくなるという最悪のケースにつながることもあります。できるだけ早く対処していくことが大切になります。

最近、聞こえづらいと思ったり、声をかけられても気づかない、テレビの音が大きすぎてうるさいと家族から言われたなどということがあったら難聴になっている可能性があります。

(1)難聴の原因と症状、種類
難聴とは、音(物音)や話し声が聞こえない、もしくは聞こえにくいという症状のことを言います。音が聞こえるには耳の様々な器官が関わっています。

音(物音)や話し声は、耳の外側の部分である耳介(じかい)で集められ、外耳道を通り、鼓膜に空気の振動として伝わっていきます。

鼓膜に伝わった振動は中耳の中にある耳小骨と言われる3つの骨に伝わり、振動が拡大され内耳に伝わります。

内耳から電気信号として脳に送られ、脳で初めて音(言葉、音楽、騒音など)として認識されるという仕組みです。

※耳介と外耳道の部分を外耳(がいじ)と言います。
※鼓膜から耳小骨の部分を中耳(ちゅうじ)と言います。
※内耳(ないじ)と言われる部分には、前庭(ぜんてい)、三半規管(さんはんきかん)、蝸牛(かぎゅう)と言われる器官があります。

難聴は、この音と認識されるまでの一連の流れのどこかでトラブルが起きていて、聞こえにくい、または聞こえないという状況になります。

難聴には、大きく分けると「伝音難聴」と「感音難聴」の2つがあります。

「伝音難聴」は、聞こえにくくなる、聞こえないといった症状が起きる原因となっている場所が外耳や内耳になります。例えば、外耳に耳垢が溜まり過ぎたりすることで聞こえが悪くなると原因がはっきりしていることが多く、原因となる病気や状態を治すことで難聴も治っていきます。

しかし、「感音難聴」は、内耳にある「蝸牛」と言われる器官など内耳でトラブルが起きていることが原因で発症します。内耳でのトラブルは原因がはっきりしないため、患者さんの状況を聞き、検査などを行い、原因を推測しての治療になります。

難聴になる時のケースを以下に紹介します。症状が出て数日間の状況を来院された際に教えてください。
 ◯ ケガ(外傷)が原因で起きる難聴(鼓膜が傷ついている可能性があります)
➢ 耳をぶつけた
➢ 耳かきを使用して症状が出た

 ◯ 大きな音を長時間聴いていたことが原因で起こる難聴
➢ コンサートやライブに行った後
➢ 仕事で長時間騒音の中にいた後

 ◯ 耳が炎症を起こしたことが原因で起こる難聴
➢ 飛行機に乗った後、もしくは乗っている時
➢ 風邪やインフルエンザになった時
➢ 髪を洗った後(風呂に入った後)
➢ プールや海に入った後

 ◯その他の事由が原因で起こる難聴
➢ 精神的ストレス
➢ 身体的ストレス
➢ 薬の副作用
➢ 加齢

 ◯原因を特定することが難しい難聴
➢ 突発性難聴(突然聞こえにくくなったり、耳鳴り、耳閉感、めまいなどが症状として起きる)
➢ 低音障害型感音難聴
➢ メニエール病
➢ 蝸牛メニエール病

(2)難聴の検査
難聴が起きた場合には、難聴の原因を調べる必要があります。当院では、難聴である場合には、純音聴力検査を実施しています。必要に応じて、精密な聴力検査や平衡機能検査も行うことがあります。
聴力の改善・悪化を繰り返すことがない場合には、突発性難聴の可能性があり、繰り返すような場合はメニエール病や低音障害型感音難聴の可能性があります。
上記の検査内容や難聴にあった治療を行っても改善が見られない場合は、MRIによる画像診断を紹介する病院にて実施していただくこともあります。

(3)難聴の治療法
外耳や中耳が原因で起きている難聴に関しては、症状や状態に適した処置や治療を行っていきます。内耳が原因の難聴である場合には、薬物治療として、内耳の循環障害であるので、飲み薬や点滴という治療を行います。血液の流れをよくする循環改善薬、ビタミンB剤、副腎皮質ステロイド薬などのいくつかの薬を処方して治療していきます。

難聴は誰でも起きる可能性があります。難聴は早期に治療を行った方が聴力が戻る可能性が高くなりますので、聞こえが悪くなるという症状が起きた場合には、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診することをお勧めいたします。

突発性難聴

2016/03/07

突発性難聴
(1)突発性難聴の原因と症状
突発性難聴とは、何の前触れもなく、ある日突然耳が聴こえなくなるという病気です。突発性難聴の原因は現在のところ不明です。ただし、内耳の障害が生じる感音難聴と考えられていて、研究段階として、ウイルス感染が原因とする説や内耳の循環障害説という説が挙げられます。

症状としては、病名についているように難聴(耳が聴こえない・聴こえにくくなる)です。片耳だけに症状が出ることが多いですが、両耳に症状が出ることもあります。また、それ以外の症状としては、
・耳鳴り
・めまい(吐き気や嘔吐が伴うこともある)
・耳が塞がったような感じがする
が挙げられます。難聴の症状が出る前後に上記の症状が出ることがあります。

(2)突発性難聴の検査
難聴が突然生じた場合、難聴の原因がどこにあるのか調べる必要があります。そのため、当院では、純音聴力検査を実施しています。 突発性難聴では、聴力の改善・悪化を繰り返すことがない場合には、メニエール病の可能性があります。その他に、聴神経腫瘍(ちょうしんけいしゅよう)が原因で突発性難聴になることがあり、この場合には、MRIによる画像診断が必要になります。

(3)突発性難聴の治療法
突発性難聴はできるだけ早く治療を開始すればするほど聴力の改善が診られる難聴の1つになります。難聴が発症して1ヶ月経過してからの治療になると聴力の改善が難しくなる(発症して約1ヶ月で聴力は固定されると考えられています)ので、できるだけ早期の治療開始(目安としては、難聴になってから遅くとも2週間以内)が望ましいです。
 薬物治療
原因の1つとして考えられている内耳の循環障害ということもあり、飲み薬や点滴によって治療を行っていきます。副腎皮質ステロイド薬、血液の流れをよくする循環改善薬、ビタミンB剤などの複数の薬を用いて治療していきます。