クリニック便り

声帯ポリープ 声帯結節 ポリープ様声帯 について

疾患について
2015/06/04

声帯ポリープ 声帯結節 ポリープ様声帯

いずれも嗄声(声がれ)の原因となる疾患です。

声帯ポリープ
声帯の片側に生じる腫瘤性の病変です。急激な声の酷使などで声帯に血まめのような腫瘤ができてしまい声がれの原因となってしまいます。
声の安静や消炎治療などで改善見られない場合は声の改善のため手術で摘出することがあります。

声帯結節
声を酷使する方に多くできてしまう疾患です。発生による酷使により声帯がこすれ合うことによりできる胼胝(タコ)のようなものです。保育士の方、学校の先生、接客業などで声を多く使う方、歌手の方など職業的に声を多く使う方や、小さなお子さんをお育てになっている方で大きな声を使わざるを得ない方などにできてしまうことがあります。

お子さんにもできることもあり、年代的な特色を表すために小児結節や学童結節と表現することがあります。
声の安静、発生方法の改善(無理な声の出し方をしない)など保存的な治療が一般的です。声の改善のため職業歌手の方や結節が高度な方の場合は手術で摘出する場合もあります。
お子さんの場合はもともと元気で活発な場合に多いため、あまり無理に声の安静を押し付けるとかえってストレスになるため、徐々に指導し様子を見ていく方がいいとされています。声変わり(変声期)の頃になると改善することが多いと言われています。

ポリープ様声帯
両側の声帯が全体的に浮腫状(むくむような)に腫れてしまう病気です。喫煙者で特にヘビースモーカーの方でさらに声を多く使う方に多い疾患です。タバコを多く吸われる接客業の方に多い印象です。
「声帯ポリープ」と名前は似ているのですが、見た目の所見も違う別の疾患です。腫れがひどい場合は声がれのみでなく、声帯の間の気道が狭くなり呼吸がしずにくくなることもあります。
禁煙が治療の中心です。(喫煙者の方には辛いかと思いますが・・)
腫れが高度な場合は禁煙治療の上手術でむくみを減らす手術をすることもあります。

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